ポータブルブルーレイプレイヤーのアンバランスなレトロ感

Blu-rayってシャキッとした現役メディアなのに、ポータブルプレイヤーの末期感がすごいと言う話。バッテリ環境におけるディスクメディアとか、モーターぶん回さないといけない時点でエネルギーの無駄遣いでしか無いわけで、合理的じゃ無いのは分かるのですが、それにしたって選択肢が限られすぎています。CDのようにシリコンメディアにうつす手段が無い以上、持ち出すにはディスクを再生するしかないのだし、もう少し何とかならないのでしょうか。地デジが映るカーナビにさえ、全く載ってくる気配が無いのはどうしたことでしょう。単体製品もパナソニックはすでに商品廃盤、ソニーも機能削減された廉価機1機種のみしか無いなど、ほとんどポータブルCDプレイヤー並に末期的な状況です。

驚きのスペック

BDP-SX910というのがソニーの唯一の現行製品なのだが、スペックがすごい。まず9V型という画面サイズでありながら解像度が800×480しかありません。その上で視野角も狭ければ、グレア液晶でも無い*1あたり、徹底して映像品質を捨てに来ており、Blu-rayの存在意義を完全否定していてかっこいいです。普通1024x600等の解像度で申し訳程度でもBlu-rayに意味を与えてあげるんじゃないのでしょうか*2


一方音はと言えば、見事に高音しか出ないポータブル機器内蔵らしいチープなものです。良かったステレオだ!というレベル。2つ折りでボディ側は空間が有り余ってそうなのに、容量稼いで低音を出していこうという発想は無い模様。また、バッテリによる再生時間が5時間というのは、頑張った点かな? と思いましたが、取り外し不可なので予備バッテリで運用時間を伸ばすことも出来ないし、よく見たら輝度は最低が前提でありちょっと残念ですね。付属品にシガーソケットアダプタがついていて、車載運用にどうぞ! という感じなのですが、コンポジット映像出力が省かれているので、カーナビの外部入力には繋げづらい。ヘッドレストにぶら下げて後部座席のお一人様用というのが現実的な線ですね。


そしてBlu-ray 3Dに非対応なので、バッテリー駆動のヘッドマウントディスプレイ、HMZ-T3と組み合わせてお外で立体視!等も出来ません。BD-Liveなどコストに見合わない物は徹底削除です。せめてキズ防止のために持ち運び用のポーチぐらい付けて欲しいです。

デザイン

デザインはソニーの文法に則っていてちゃんとしてるんですが、残念ながら物理的に安い作りですので限界はあります。金属素材で薄型シャープなデザインが好まれる中にあって、アールの緩いもっさり感と1.3kgという重量はとても2013年の機械とは思えないレトロ感を演出しています。そんななか、操作系のみが静電容量のタッチ式なのがイマドキ感でしょうか? しかしスライド式の電源スイッチといい、ユニバーサルデザインとしてはむしろ不利ではないかな、と思います。

まとめ

地デジポータブルテレビ+BDプレイヤーなど、通販とかでウケそうな要素で賑やかだった時代もとうに過ぎ、限られた需要のために細々と残っている感しかないポータブルブルーレイプレイヤーですが、光学ドライブ付きのモバイルノートパソコンも滅びてしまった今、買っておかないと後で後悔しそうなので確保しておきました。音楽配信はかなり浸透しつつあり、むしろハイレゾなどはそっちで買うのが主流になりそうな雰囲気ですが、映像コンテンツもそうなっていきませんかね。ハイレゾの映像コンテンツが、オンラインで1回買えば家でもスマホでも見られるようになってくれるまで、スキマで活用する予定です。あとはBlu-rayプレイヤー無いお宅に行くときとかね。

*1:モバイル機器としては映り込みを考えると正しいともいえる

*2:前モデルはその一線をギリギリ保っていましたが、コストダウンの前に陥落した感じですか